使徒言行録13 章1~12 節
私は40年ほどの会社勤めのうち、半分以上を外資系企業で働きました。国や文化の違う人たちとの交わりが、思い込みや無理解を正していくきっかけとなりました。シリアのアンティオキア教会も、多国籍な教会とも呼べる世界が広がっていたと想像できます。異邦人伝道の出発点であり、ヘブル語だけでなくギリシャ語も話される環境の中で、さまざまな預言者や教師たちがいました。バルナバはキプロス島生まれのレビ族で、畑を売って献金した人物です。またサウロは、後に「パウロ」と呼ばれるようになる人物です。アンティオキア教会では、礼拝と祈りと断食の中で聖霊が語り、「バルナバとサウロを私のために選び出しなさい」と告げられました。教会の人々が相談して決めたのではなく、神を礼拝し断食して導きを求めた中で、聖霊が二人を指名されたのです。彼らはさらに断食して祈り、二人の上に手を置いて出発させました。これは按手による正式な任命と派遣であり、この伝道旅行はバルナバやパウロ個人のものではなく、アンティオキア教会が断食と祈りの中で神から示された働きでした。教会にとって二人は大黒柱であり、手放すことは大きな犠牲でしたが、神の御心に従いました。その結果、地中海世界の各地に教会が生まれ、やがてアジア、日本にまで福音が伝えられていきました。
バルナバとパウロはキプロスに着くと、まずユダヤ人の諸会堂で神の言葉を告げ知らせました。しかし総督セルギウス・パウルスに福音が伝わろうとしたとき、ユダヤ人の魔術師バルイエスが妨害しました。それでも、神の独り子が十字架にかかって罪を赦し、復活によって永遠の命を与えるという福音は総督の心をとらえました。サウロは聖霊に満たされ、魔術師に対して神の裁きを宣言しました。これは人間的な力ではなく、聖霊の働きによるものでした。伝道には必ず困難が伴い、この世から反感や妨害を受けますが、戦ってくださるのは聖霊です。だからこそ、アンティオキア教会の人々のように、真剣に祈り、聖霊の働きを求める必要があります。
ついに総督は主の教えに驚き、信仰に入りました。多神教の世界に生きていた彼は、唯一のまことの神を知り、悔い改めて主に従う生活を選びました。礼拝と祈りと断食の中で示された主のみ心が、バルナバとサウロを通して聖霊の働きによって実現しました。同じように、神は今も私たちを用い、それぞれの生活の場へ送り出してくださいます。聖霊の導きを求め、その働きに身を委ねて歩むとき、私たちは出会う人々に主イエスを語り、教会に与えられた伝道の使命を担う者となるのです。
2026年2月15日
